アブラモビッチ

といってもチェルシーではなく、夢の家。前から泊まって体験したいと思っていた。天候はすぐれなかったが、雨の夢の家は悪くなかった。食事も美味しかったし、内緒で呑んだワインも美味しかった。家の裏手の田んぼには蛍が舞い、屋根をうつ雨音がノイズを遠のけた。テレタビーズのような衣装で、棺桶状の寝床に寝る体験は、何ものにもかえがたいものだった。もう一度、たずねてみたいと思った。次回は、少し肌寒い季節がいいだろう。本当に、すばらしかった。

金沢で巡った写真家の展覧会も印象的だった。お寺やバー、居住者のいないビルなどを借りて行った展示は、展示を企画した人々の考えや努力が感じられてとても面白かった。もともと、ボクは彼女の作品がそれほど好きではなかった。けれども、空きビルの奥のバーカウンターでカラースライドを見ていて、何となく写真そのものに表れてこない、彼女のある部分に触れたような気がした。もちろん、妄想だけどね。