20km向こうに

渋谷に原発があって、もしもそこで事故が起きたら、その程度にもよるけど、どれくらいのエリアが立ち入り禁止になるのか?
今回のプロジェクトは、それを実感してみようというプロジェクト。
いろいろと、考えながら歩いている。

アートにかかわることは、それ自体とても刺激的なことだけれども。常態化していろいろなことにたかをくくってしまうと、
むしろマイナスなものに転じてしまうおそろしさがある。
トークに出て、つねに自身や自身を取り巻く窮状を訴えている人たちにもそれはある。
そうしている本人が、訴えようとしている当の対象と同じ構造を自身の中に取り入れてしまうこと。
このことを痛感したのは塩尻だった。
キャリアや熱意や活動量が、裏目に出てしまうということがある。

僕がかかわっているプロジェクトでも少なからずそれはある。
そのこと自体を糾弾するのではなくて、そうならないように常に意識すること。
それは委縮ではなくて、むしろその意識の果てにしか解放もないということだろう。