富井さんのこと

3人のなかで、もっとも古いつきあいになるのは富井さんだ。僕がart & river bankを始めたのがおよそ10年前で、始めてすぐぐらいからの付き合いだと思う。富井くんは、a&rbで2回個展をしている。1回目のあと、同じことをするのはやめようねと話し合って、2回目は少しイレギュラーな展示となった。僕は、富井くんの、作品以外のところをずいぶんおもしろがっていて、それで、彼の開梱指示書を、インスタレーションのレシピとして展示することにした。CAMPの彫刻関連のトークではにべもなく否定されたけど、既定の枠組みをまずありきと考える立場の反応としては想像していたものだった。ただ壁ぎわでの年末トークで、森田浩彰さんに、杉田さんは富井くんの作品は好きじゃないよねと指摘されたことには考えさせられた。富井さんの種々の実践と、彼の作品の関係は、今回のトークの原点なのかもしれない。