書きとどめておくことにする

最近起こった出来事で、どうしても納得できないことなので、書きとめておくことにする。所属する大学の学生が、父親に連れられてボランティアに参加し、原発から30km少しのとことで、側溝の土砂の除去を行った。防塵マスクもしなかったという。こうしたこともあるので、ボランティアについて、大学側が規制するのではなく、ガイドラインを示し、それに基づいて個々が判断するようにしてはとある会議で発言した。と、出席者の一人で、アートによる地域振興の第一人者でもある教授から叱責された。政府が安全だと言っているから安全なのだし、大学がそれに関与するべきではない、と。一瞬声を失った。アート・イヴェントに関しては行政側の態度を批判することもある彼にとって、けれども、これだけ種々の問題が噴出している被ばく関連情報に関しては、鵜呑みにするべきだというのだろうか。彼の年齢では、おそらく、現在進みつつある被ばくの影響を知ることはできないだろう。これは、どういうご都合主義なのだろう。復興に深くかかわっているという自負については、もちろん、忘れることなく言い加えられた。キャスリーン・ティアニーが述べたエリート・パニックは、おそらくこんなかたちでも表明されてしまうということなのかもしれない。いずれにしても、こんな醜悪な判断からは、決してアートは生まれることはないだろう。