遠い空 2

その人とは、美術館の準備室で開かれた展示のあと、第三京浜で、たわいもない80年代のロックの話をした。不思議な縁でできた友人だ。彼女が今立っている場所を思うと、胸がつぶれそうになる。月並みな言葉しか思い浮かべることができない。彼女と、そして彼と、そしてもう一人の彼女と、また田町に行こう。そしてもつ焼き屋で、笑い転げて、呑みつぶれよう。そんな日はきっとやってくる。疲れ果てた身体で、第三京浜を飛ばしながら、そう祈った。