富士山

こわいぐらい透き通った空気。川崎経由で海ほたるへ。富士山が近くに見える。風はなぜかぬるく、空気とは対照的にぼんやりしている。マフラーを落とした海ほたるで、イタリア娘のリベンジ。そのまま対岸、人気のない富津へ。貝柱丼をほおばって、岬の展望台から再び富士山。オーイ!!! タッグのたびに潰れる下手なウィンド・サーフィンを眺めて、昔、この季節でも海に入っていたことを思い出す。突端の奇妙な展望台をかけあがって、ぐるりと冬の空気に包まれる。木更津経由で、再び海ほたるへ。陽が落ちた直後、海面に近い視線に、海はシアンに輝き、再び富士山は濃いシルエットを描いた。行きと同じ店でエスプレッソをすすって、少し淋しくなった二人は、友人に連絡してタイ料理の約束。人を2人殺しているはずのトランペッターの曲を聴きながら、川崎を急いで駆け抜ける。