雑感

とある写真の展覧会が終わった。関係するアーティストが出ていたこともあり、トークショーにも関わった。バタイユからタイトルを借りた作家の作品を安易だと発言した。安易というか、そういう形で成立する作品はもう見たくないということだったのかもしれない。そのような作家の姿勢は、どこか臆病な自己防御のようにしか思えなかった。取り扱いギャラリーのカラーにチューニングしているのではと冗談ぽく訊ねてみると、そうかもしれないと笑っていた。そここそが闘う場所なのに。それに比べると、様々な批判を浴びつつ、別の場所で自らの展覧会についてプレゼンしたキュレータには勇気があった。やっぱりボクは、こうした勇気の方を向いてしまう。早くから、この展覧会に対して批判的な言説をしていたKも、せっかく直接対峙する場所では腰が引けていた。これにもうんざりした。同じ場で、公募展で受賞することが目的だと公言して自分の作品を問い、めちゃくちゃに叩かれていたSにも勇気があった。本当に落ち込んでいた。受賞はなによりだが、その勇気の方がすばらしいよ。大型カメラのスナップで作品を制作しているNが、不完全な断片的な作品を出して、これまた酷く叩かれた。でも、そこにも勇気があった。ボクはこうした勇気を見ていたい。そして可能ならば、自分自身そうした勇気を示したい。