立石

の「うちだ」に行った。とてもよかった。ここは日本で、今は21世紀なのか?と、ほんとに思った。知ったばかりのくせに、うちだを知っている人が、東京のなかに紛れ込んでいる。そう思うだけで、何か救われるような気持ちになった。そういえば、少し前に行った「ニューカヤバ」もよかった。それと比較すると、多少前後するが、たまたま立ち寄った米田知子展は、やはり酷かった。旧作ばかりだったけれども、やっぱり彼女の作品に向かう姿勢は好きになれない。エルムグリーン=ドラッグセットは、過剰に抱いていた期待には応えてくれなかったが、でも悪くなかった。床が微妙にグリーンとマゼンタになっていて、それが会場に反射して壁の色を微妙に変化させている、意図せぬ効果も素敵だった。クイアネーションのような過激でかつ根本的な視座転換を、ステレオタイプなゲイテイストに押し込めかねない無知なテキストを除けば、とても考えさせられる展示だった。作家の意図とは別のところで、それを台無しにしてしまうテキストを書いてしまうこと。こうした愚を避けること。反面教師的な意味でもとても勉強になった。