深夜

kutlug ataman の lola und bilidikid を観る。とても切ない映像。ataman は現在最も注目するべき映像作家のひとり。ほとんどドキュメント作品なのに、めずらしくここではシナリオのある作品。ataman の作品をはじめて観たのは documenta だった。今年は、ロンドンで大規模な個展もあったようだ。舞台はベルリン。初めてベルリンを訪れたときのことを思い出す。目の前数メートルの歩道にパトカーが乗り上げ、その先に男を追いかける。銃声。格闘。路上に押さえつけられる男。ああ、ベルリンってこんなとこなんだってひとりごちたけど、後日ドイツ人の友人に尋ねてみると、そんなことほとんどないよとの返答。そんなベルリンの人種攻撃の多いトルコ人街、クロイツベルグを舞台にした映像。そういえばあのとき、僕にピルの屋上から、暗視スコープでベルリンの街を見せてくれたアナの元夫はどこにいっちゃったんだろう。