アーティストであることを強く望み、それに向かって真摯であることと、既存の枠組みに入ることは根本的に違うことだと思う。京都で行ったPicnicのkick off talkに対して、京都で活動している人がちょっとだけ顔を出し、ずいぶん乱暴な批判を書いていたけど、もう少し現状をしっかりと見つめてほしいと思う。美大生の多くは、あるいはアーティスト予備軍は、さまざまなかたちで一社会人として未熟な状態を生きざるをえない。そのことに対して、声高に強くアーティストであることだけを肯定する視点に固執していても、何も改善されることはない。

現状を見つめて、できる部分に手を伸ばすこと。例えばそれは、本当に小さな細部にもある。京都のPicnicに関して、美大生であることだけで彼女や彼らを下に見ようとする視線、あるいは、様々なイヴェントなどで、参加者を階層化してしまう仕組み。Picnicは、もちろんそれに抗うために始めたものだ。